- HOME
- 睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まる、または浅くなる状態が繰り返し起こる状態です。この状態が一晩に何度も繰り返されると十分な酸素が体に行き渡らず、質の良い睡眠が取れなくなります。日中の強い眠気や疲労感などの症状が現れるほか、酸素不足が脳や血管へ負担をかけ、高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中などの重大な健康問題のリスクを高めてしまいます。睡眠関連呼吸障害の有病率は50歳代の女性で10%弱、男性で10~20%程度とされています。
睡眠時無呼吸症候群には自覚症状がないケースも多く、多くの方が気づかないまま過ごしています。もし「いびきがひどい」「日中、強い眠気に襲われる」などの症状でお悩みでしたら、ぜひ当院にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠中の症状
- 大きないびき
- 呼吸が止まる(無呼吸)
- 寝汗をかく
- 息苦しさで何度も目が覚める
- 頻繁にトイレに起きる
など
日中の症状
- 起床時の頭痛、喉の渇き
- 日中の強い眠気
- 毎日だるさが続く
- 集中力の低下
- 記憶力の減退
- 血圧が高い
- イライラする
- 憂うつな気分になる
など
睡眠時無呼吸症候群の種類と原因
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)
睡眠中に喉の空気の通り(道上気道)が物理的に狭くなったり、塞がったりすることで起こるタイプです。肥満や体形などの解剖学的な要因のほか、生活習慣など様々な原因があります。
- 肥満
- 首が太い
- あごが小さい
- 扁桃腺や口蓋垂の肥大
- 加齢による筋肉の衰え
- 喫煙
- アルコール
- 睡眠薬の使用
- 家族歴
- 鼻の構造的問題(鼻中隔湾曲など)
など
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)
脳から呼吸筋への信号が適切に送られないことで起こるタイプです。睡眠ポリグラフ検査で1時間あたり5回以上の中枢性無呼吸が確認されます。甲状腺機能低下症や脳卒中や心不全、腎不全などが背景にあることが多く、「心不全によって起こった無呼吸がさらに心不全を悪化させる」という悪循環に陥ることもあります。
このタイプの無呼吸の場合はCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)ではなくASVという治療が必要になります。
睡眠時無呼吸症候群の検査・治療
検査
簡易検査
体に小型の機器を装着して睡眠中の呼吸状態や酸素濃度を測定します。装置をお渡ししてご自宅で測定していただきます。
睡眠ポリグラフ検査(PSG)
睡眠中の脳波、心電図、呼吸状態、血中酸素濃度などを総合的に測定します。基本的には装置をお渡ししてご自宅で測定していただきますが、専門の検査施設等に1日入院して行うこともあります。
治療
CPAP
CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)療法は、睡眠中に専用のマスクを装着し、機械で空気を送り込むことで気道を広げて呼吸を助ける治療法です。ほとんどの患者様において、この治療が優先されます。
使用するマスクには鼻だけを覆う「ネーザルタイプ」、鼻に直接装着する「ピロータイプ」、口と鼻の両方を覆う「フルフェイスタイプ」があり、顔の形や呼吸の状態、使用感の好みに合わせて最適なものを貸し出します。
口腔内装置(マウスピース)
専用のマウスピースを装着し、下あごを固定することで気道を広げる方法です。マウスピースをお作りする際は、歯科医院をご紹介しますが、かかりつけの歯科医院で作成可能な場合は、そちらへ作成を依頼することも可能です。
外科手術
重度の症状で他の治療が効果的でない場合や、アデノイド肥大や扁桃肥大など解剖学的な原因がある場合には、外科手術を検討することもあります。
※提携先医療機関をご紹介して行います
予防のためにできること
睡眠時無呼吸症候群(特にOSA)を予防するためには、気道閉塞の原因となる生活習慣の改善が重要です。以下は睡眠時無呼吸症候群の予防として効果的なほか、上記の治療と並行して実施します。
- 適正体重の維持(肥満の解消)
- 横向きで寝る(仰向けだと気道の閉塞が起こりやすい)
- 就寝前の過度な飲食、アルコール摂取を控える
- 禁煙する
- 睡眠薬や精神安定剤を使用する場合は医師とよく相談する
- 規則正しい睡眠習慣を保つ
- 十分な睡眠時間を確保する
- 寝室の環境を整える(適切な温度・湿度・静かさ)
- 自分に合った枕を使う
など