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虚血性腸炎
虚血性腸炎とは?

虚血性腸炎は、腸に血液を送る血管の血流が一時的に減少することで、腸の壁に炎症や損傷が起こる病気です。大腸の脾湾曲部(おへその左側の部分)に多く発生し、下腹部の急な痛みと血便が代表的な症状です。
強い症状が現れるものの一時的なものであることが多く、通常、数日から数週間で自然に回復します。ただし、重症例では腸管壊死や穿孔(穴があくこと)を起こすこともあります。また、腹痛や血便は他の重篤な消化器疾患でも現れる症状ですので、それらとの鑑別のためにも、激しい症状に見舞われた際はすぐに大阪府松原市・岡・新堂・立部の松本医院を受診してください。
虚血性腸炎の主な症状
突然の強い腹痛
左側の下腹部に突然強い痛みが起こることが多く、痙攣性(強く締め付けられるような痛み)であることが特徴です。
血便
腹痛の発症から24時間以内に、鮮血や暗赤色の血液が混じった便が見られます。
下痢
血液や粘液を含む下痢が起こります。突然の強い腹痛・血便・下痢の3つが、潰瘍性大腸炎の代表的な症状です。
吐き気・嘔吐・発熱
腹痛に伴って吐き気や嘔吐、軽度の発熱が見られることがあります。
虚血性腸炎の原因
動脈硬化
動脈硬化が腸の血管に影響します。そのため、虚血性腸炎はご高齢の方や高血圧、糖尿病、高脂血症などを抱えている方に多く見られます。
脱水
体内の水分不足や血流低下を引き起こします。水分不足になりやすいご高齢の方や、激しい運動後は特に注意しましょう。
薬剤の影響
便秘薬(特に刺激性下剤)、血圧降下剤、利尿剤などの薬が発症に影響することもあります。
その他
心血管疾患(心臓や血管の病気)、大きな手術の影響、喫煙などもリスク要因となります。
虚血性腸炎の検査と診断
問診・診察
症状の経過や過去の病歴、服用中の薬などについてお聞きします。
血液検査
白血球数や炎症反応(CRPなど)の上昇、貧血の有無などを調べます。
大腸カメラ検査
内視鏡を使って大腸内の炎症や粘膜の変化を直接観察し、他の病気との鑑別を行います。ただし、症状が激しい時は内視鏡の挿入ができないため、落ち着くのを待ってから挿入します。
画像検査
必要に応じて腹部エコー、腹部CT検査、MRI検査などで腸管の状態や血流を評価します。
※当院で行っていない検査は、提携先医療機関と連携して実施します
虚血性腸炎の治療
保存的治療
軽症から中等症の場合は、絶食・点滴による腸の安静と水分補給を行うことで、自然治癒を待ちます。数日から1週間程度で軽快するケースが多いです。
薬物療法
必要に応じて抗生物質、鎮痙薬(大腸の痙攣を抑え、痛みを和らげる薬)、血流改善薬などを使用します。
手術
腸管壊死や穿孔などの重篤な合併症がある場合は、外科手術が必要となります。
※提携先医療機関をご紹介して行います
再発予防
水分をしっかり摂る、便秘を改善する、定期的に運動する、禁煙するなどの生活習慣改善を行い、再発を予防します。