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B型・C型肝炎
B型・C型肝炎とは?

B型肝炎とC型肝炎は、それぞれB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって引き起こされる肝臓の感染症です。どちらも感染初期には症状がほとんどなく、慢性化した場合でも自覚症状に乏しいため、健康診断などで偶然発見されることがほとんどです。
放置すると肝臓の炎症(肝炎)が進行し、肝硬変や肝がんへと発展するリスクがあります。特にC型肝炎を治療せずに放置すると、20~30年後に高い確率で肝硬変に進行するとされています。近年は治療法が大きく進歩し、適切な治療を受ければ多くの場合、ウイルスを排除したり、病気の進行を抑えたりすることが可能になっています。
大阪府松原市・岡・新堂・立部の松本医院では、専門医の豊富な知見に基づいた治療を提供しております。検査でB型・C型肝炎を指摘された方は、お早めにご相談ください。
B型・C型肝炎の症状
B型・C型肝炎は、急性期と慢性期でそれぞれ症状が異なります。
B型肝炎
急性肝炎の症状
急性肝炎では、感染後1~6か月程度で以下のような症状が現れることがあります。しかし、多くの場合は無症状または軽度の症状のみで気づかないことも多いです。
- 全身倦怠感
- 発熱
- 食欲不振
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 腹痛(右上腹部の痛み)
- 筋痙攣(こむら返り)
など
慢性肝炎の症状
出生時や乳幼児期にウイルス感染を起こした場合は、無症状のまま体内にウイルスが潜伏し続けます(無症候性キャリア)。成人後に一時的に肝炎を発症することもありますが、通常はすぐに治まって再び無症状の状態が続きます。症状がなくても他人への感染が起こる点にご注意ください。
病気が進行して肝硬変や肝不全に至ると、以下のような症状が現れることがあります。
- むくみ
- 腹水
- 鼻血や歯茎からの出血
- 黄疸
など
C型肝炎
C型肝炎もB型とほとんど同様の経過をたどりますが、感染後2~14週間ほど経った頃に急性肝炎を起こすことがあります。急性肝炎を起こすのは比較的まれなケースで、ほとんどの方で無症状です。
その後、体の免疫によって自然治癒することもありますが、半数近くは慢性肝炎へと移行し、肝硬変や肝がんのリスクを高めます。
B型肝炎、C型肝炎の感染経路
血液感染
感染者の血液が傷口などから体内に入ることで感染します。輸血や血液製剤(※)、医療行為、刺青、ピアスなどが原因となることがあります。
(※)現在は検査体制が整備され、ほぼリスクはありません
母子感染
感染している母親から出産時に赤ちゃんに感染することがあります。特にB型肝炎では母子感染が主要な感染経路の1つです。
性行為
主にB型肝炎で性行為による感染が起こりえます。C型肝炎でも性行為感染はありますが、その確率は低いとされています。
B型肝炎、C型肝炎の検査と診断
B型肝炎、C型肝炎では、主に血液検査の結果によって診断を行います。ウイルスには潜伏期間がありますので、その期間を超えてから検査を行わないと正常な結果が出ないこともあります。
- B型肝炎…2か月以上(精密検査は35日以上)
- C型肝炎…3か月以上(精密検査は24日以上)
B型肝炎、C型肝炎の治療
B型肝炎
B型肝炎のウイルスを体から完全に排除することはほぼ不可能です。そのため、B型肝炎の治療目標は、ウイルスの増殖を抑制し、肝炎の進行を防ぐことになります。
抗ウイルス療法
ウイルスの増殖を抑制する薬を継続的に服用します。
肝庇護療法
注射や内服薬を使用して肝臓の炎症を抑えます。同時に定期的な血液検査や画像検査で、肝機能や肝がんの発生リスクを監視します。
C型肝炎
C型肝炎の治療では、薬を使って体内のウイルスを排除することで完治を目指します。C型肝炎治療は大きく進歩しており、ウイルスに直接作用する薬の登場により、ほとんどの患者様でウイルスを排除できるようになりました。
インターフェロン治療
免疫機能を高めるインターフェロンという注射により、ウイルスの排除を目指します。
インターフェロンフリー療法
インターフェロン注射を使わず、DAA(直接作用型抗ウイルス剤)という飲み薬のみでウイルス排除を目指す治療法です。インターフェロン注射で十分な効果を得られなかった方や、治療が適応とならなかった方でも完治を望めます。
ゲノタイプや遺伝子変異などにもよりますが、最近はこの飲み薬で90%以上の方が治療可能となっております。
参考文献:C型肝炎治療ガイドライン(第8.3版)