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便秘
便秘に隠れた病気に要注意

一般的に「3日以上排便がない状態」を便秘と言いますが、「強くいきまないと排便できない」「残便感がある」など、快適な排便ができていない状態であれば広義の便秘に該当すると考えます。
便秘は単なる不快な症状ではなく、お腹の張り(腹部膨満感)、腹痛、食欲不振、集中力低下などを引き起こし、QOL(生活の質)を著しく低下させる原因にもなります。また、長期間放置すると、痔や大腸憩室症などの合併症を引き起こす恐れもあるので注意が必要です。
便秘でお悩みの方は、適切な対処法を知るためにも大阪府松原市・岡・新堂・立部の松本医院にご相談ください。生活習慣の改善から必要に応じた薬物療法まで、患者様の状態に合わせたアドバイスを提供します。
こんな時は早めにご相談ください
以下のような症状がある時は、便秘の裏に重篤な病気が隠れている可能性があります。早急に当院へご相談ください。
- 便秘が急に始まり、生活習慣の変化では説明できない
- 腹部の痛みや膨満感が強い
- 血の混じった真っ赤な便や真っ黒な便が出る
- 原因不明の体重減少がある
など
便秘の原因
生活習慣の問題
食物繊維や水分の摂取不足、運動不足、不規則な生活、排便を我慢する習慣などが原因となります。
環境・食生活の変化
旅行や入院など環境の変化による食生活の乱れが一時的な便秘を引き起こすことがあります。新たな環境に慣れた、あるいは元の生活に戻ったことで便秘が改善されるようであれば、基本的には問題ありません。
ストレス
過度なストレスや慢性的なストレスは腸の動きを抑制し、便秘の原因となります。
加齢
年齢とともに腸の筋力や感覚が衰え、便秘になりやすくなります。
妊娠
ホルモンバランスの変化や子宮の増大による圧迫が便秘を引き起こすことがあります。
薬剤の影響
一部の鎮痛剤や抗うつ薬、抗コリン薬、鉄剤、制酸剤などの薬が便秘を引き起こすことがあります。
考えられる病気
機能性便秘
消化管に明らかな異常がないにもかかわらず、慢性的に便秘症状がある状態です。生活習慣の影響が大きく、病気ではありませんが、適切な治療により改善する必要があります。
過敏性腸症候群(便秘型)
腹痛とともに便通異常が起こる病気です。下痢を繰り返すタイプ、便秘が続くタイプ、両者を交互に繰り返すタイプなど、様々な病型があります。ストレスや食事との関連が強いことが特徴です。
大腸ポリープ・大腸がん
大腸に生じた腫瘍が腸の通過障害を引き起こし、便秘の原因となることがあります。腫瘍から出血が起こると血便が生じるほか、進行した大腸がんの場合には体重減少などの症状も現れることがあります。
腸閉塞
腸が部分的または完全に詰まる状態で、嘔吐、腹部膨満感、強い腹痛などを伴う場合は緊急性があります。
直腸・肛門の病気
直腸瘤、直腸脱、肛門狭窄、裂肛など、排便の出口に問題がある場合に便秘が起こることがあります。
内分泌疾患
甲状腺機能低下症、糖尿病、高カルシウム血症などが便秘を引き起こすことがあります。
神経・筋疾患
パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄疾患などの神経系の病気が便秘の原因となることがあります。
刺激性下剤のアントラキノン系(センノシド、ダイオウ)やピコスルファートは耐性(薬が効かなくなる)や習慣性を避けるために必要最低限の使用にとどめるような治療が推奨されています。定期内服していると、大腸メラノーシスや難治性結腸運動機能障害型便秘になると大腸切除が必要になることもありえます。
便秘の原因に応じた検査や内服治療を行っていきますので、お気軽に相談ください。
参考文献:便通異常症診療ガイドライン2023